2026.01.16
ZEHの断熱性能・気密基準ガイド|UA値・C値で比較する高気密高断熱住宅の選び方
「ZEH(ゼッチ)住宅ってなんだか良さそうだけど、UA値?C値?専門用語が多くてよくわからない…」
「ハウスメーカーの営業担当者の言うことを、そのまま信じても大丈夫なのかな?」
これから注文住宅を建てようとお考えの方で、このような疑問や不安を抱えている方は少なくありません。
快適な暮らしと将来の光熱費削減のために重要な「高気密・高断熱」ですが、その性能は目に見えないため、判断が難しいのが実情です。
この記事では、そんなお悩みを持つあなたのために、ZEH住宅に不可欠な「断熱」と「気密」の性能について、専門用語を一つひとつ丁寧に解説します。
読み終える頃には、UA値やC値といった客観的なモノサシを手に入れ、住宅会社の性能レベルを自分自身で見抜けるようになっているはずです。
後悔しない家づくりの第一歩を、ここから踏み出しましょう。
そもそもZEH(ゼッチ)とは?3つの要素でわかる省エネ住宅の基本

ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。
少し難しく聞こえますが、簡単に言うと「住まいで消費するエネルギーを、自宅で創り出すエネルギーで実質ゼロにすることを目指した家」のことです。
このZEHは、主に3つの要素を組み合わせて実現されます。
① 高断熱・高気密
エネルギーの無駄をなくす“守りの性能”です。
家が“魔法瓶”のようになり、冬は暖かく・夏は涼しい状態を保ちやすくなります。
- ポイント
- 高性能な断熱材を使用
- 断熱性の高い窓(樹脂サッシ・トリプルガラスなど)
- 施工精度を高めて家の隙間を徹底的に減らす
② 省エネ設備
使うエネルギーを減らす“節約の性能”です。
電気・ガスの消費を抑え、毎月の光熱費を削減できます。
- 導入具体例
- 高効率エアコン
- LED照明
- 省エネ給湯器(エコキュート・ハイブリッド給湯器など)
③ 創エネ
家庭でエネルギーを“創る攻めの性能”です。
家庭で使う電気の自給自足が可能で、売電や蓄電池との併用で災害時にも強い暮らしを実現することができます。
- 導入具体例
- 太陽光発電システム
- エネファーム(家庭用燃料電池)
これらの要素を組み合わせることで、光熱費を抑えながら快適に暮らせる住まいが実現します。
現在、国は2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成に向け、このZEH住宅の普及を強力に推進しています。
ZEHの心臓部!「高断熱性能」を徹底解説【UA値・断熱等級】

ZEHの3つの要素の中でも、すべての土台となるのが「高断熱性能」です。
どんなに高性能な省エネ設備や太陽光発電を導入しても、家の断熱性能が低ければ、エネルギーはどんどん外へ逃げてしまいます。
まさに、家の快適性と省エネ性能を左右する「心臓部」と言えるでしょう。
ここでは、その断熱性能を客観的に評価するための重要な指標、「UA値」と「断熱等級」について詳しく見ていきます。
断熱性能のモノサシ「UA値」とは?数値が低いほど高性能
UA値(ユーエーち)とは「外皮平均熱貫流率」のことで、住宅の断熱性能を示す最も一般的な指標です。
具体的には、「建物の中から、壁・床・屋根・窓などを通して、どれくらいの熱が外へ逃げやすいか」を表した数値です。
このUA値は、数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高い(=高性能な)家ということになります。
家づくりを検討する際は、デザインや間取りだけでなく、このUA値にも注目することが非常に重要です。
UA値が小さい場合
断熱性能が高い◎
- 特徴
- 外気の影響を受けにくい
- 家全体の温度が安定しやすい
- イメージ
- 魔法瓶のように熱を保つ家
- 夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる
- 省エネで光熱費が下がりやすい
UA値が大きい場合
断熱性能が低い×
- 特徴
- 外気温の影響を受けやすい
- 部屋ごとの温度差が大きくなりやすい
- イメージ
- ザルのように熱が逃げてしまう家
- 夏は暑く、冬は寒い
- 空調費がかさみやすい
ZEHに必須の「断熱等級5」とは?地域ごとに定められたUA値基準
ZEHの認定を受けるためには、国の定める断熱性能の基準をクリアする必要があります。
それが「断熱等級5」と呼ばれる基準です。
日本は地域によって気候が異なるため、断熱性能の基準も全国一律ではありません。
国は日本全国を気候条件に応じて8つの地域に区分しており、それぞれの地域でクリアすべきUA値が定められています。
- 1・2地域(札幌・旭川など)
- ZEH基準(断熱等級5)のUA値:0.40 W/㎡K 以下
- 日本で最も寒冷なエリアに該当
- 3地域(盛岡・長野など)
- ZEH基準(断熱等級5)のUA値:0.50 W/㎡K 以下
- 冬の寒さが厳しい内陸地域
- 4地域(仙台・宇都宮など)
- UA値基準:0.60 W/㎡K 以下
- 5地域(新潟・金沢・甲府など)
- UA値基準:0.60 W/㎡K 以下
- 6地域(東京・名古屋・大阪・福岡など)
- UA値基準:0.60 W/㎡K 以下
- 日本の人口の多くが暮らす一般的な気候エリア
- 7地域(宮崎・鹿児島など)
- UA値基準:0.60 W/㎡K 以下
- 8地域(沖縄)
- UA値基準:設定なし(基準なし)
- 高温多湿で断熱の考え方が異なる地域
例えば、東京(6地域)でZEH住宅を建てる場合は、UA値が0.60以下でなければなりません。
ご自身が家を建てる地域でどのくらいのUA値が求められるのか、ぜひ確認してみてください。
ZEH基準は最低ライン?さらに上の快適性を目指す「HEAT20」
実は、ZEH基準である断熱等級5は、これからの家づくりにおける「最低ライン」とも言えます。
より高いレベルの快適性や省エネ性を求めるのであれば、さらに上の断熱性能を目指すことが推奨されます。
そこで注目されているのが、「HEAT20(ヒートニジュウ)」という民間の団体が提唱する断熱基準です。
HEAT20は、ZEH基準よりもさらに厳しい断熱性能をG1、G2、G3というグレードで示しています。
特にG2グレード以上を達成すると、冬でも最低室温が13~15℃程度を下回らない、極めて快適な室内環境が実現できるとされています。
より快適で健康的な暮らしを求めるなら、ZEH基準のクリアは当然として、HEAT20のG2グレードを一つの目安にするとよいでしょう。
ZEH基準の”落とし穴”?見過ごせない「高気密性能」の重要性【C値】

どんなに暖かいコートを着ていても、前のボタンが開いていれば寒いですよね。
住宅もこれと全く同じで、断熱性能(UA値)を高めるだけでは不十分です。
たとえ高性能な断熱材を採用していても、隙間だらけでは風が入ってきて寒くなります。
家の隙間をいかに少なくするか、つまり「高気密性能」が伴って初めて、高断熱の真価が発揮されます。
しかし、ここにZEH基準の大きな”落とし穴”があります。
現在のZEH基準には、この気密性能を客観的に示す「C値」に関する明確な基準が存在しないのです。
気密性の証明書「C値」とは?ZEH基準に目標値がない理由と注意点
C値(シーち)とは「隙間相当面積」のことで、「家全体にどれくらいの隙間があるか」を示す数値です。
家の床面積1㎡あたりに存在する隙間の面積(㎠)で表され、この数値は小さいほど隙間が少なく、気密性能が高い家ということになります。
C値は計算で算出するUA値とは異なり、専用の測定器を使って一棟一棟実際に測定しなければ分かりません。
そのため、ごまかしの効かない「住宅性能の証明書」とも言える客観的なデータです。
- C値:5.0 以上
- 隙間が多い状態
- 断熱性能が十分に活かせない
- 昔の一般的な住宅に多い性能レベル
- C値:1.0~2.0
- 次世代省エネ基準レベル
- 住宅として最低限確保したい気密性能
- C値:1.0 以下
- “高気密住宅”と呼ばれるレベル
- 計画換気が正しく機能しやすい
- 空気の流れをコントロールしやすく、快適性アップ
- C値:0.5 以下
- トップクラスの高気密性能
- さらに高い快適性と省エネ性を実現
- 高断熱との組み合わせで、家全体の性能が大きく向上
ZEH基準にC値の目標値がないため、住宅会社によっては気密測定自体を行っていないケースもあります。
C値1.0で一般的な家全体の隙間を集めると、ハガキサイズの穴が壁に空いているイメージになります。
「うちは高気密ですよ」という言葉だけでなく、必ずC値の目標値や過去の実績値を確認することが重要です。
なぜ高気密が重要?断熱性能を100%引き出し、家の寿命を延ばす
高気密であることの重要性は、単に「隙間風がなくて暖かい」というだけではありません。
主に、以下の3つの重要な役割を担っています。
- 断熱材の性能を最大限に引き出す
隙間が多いと、そこから熱が出入りしてしまい、せっかくの高性能な断熱材も効果が半減してしまいます。気密性を高めることで、初めて断熱材がカタログ通りの性能を発揮できます。 - 計画換気を正しく機能させる
高気密住宅では、24時間換気システムによって空気の通り道を計画的に作り、常に新鮮な空気を保ちます。隙間が多いと、意図しない場所から空気が入ってしまい、換気システムが正常に機能しなくなります。 - 壁内結露を防ぎ、家を長持ちさせる
壁の中に湿気を含んだ空気が侵入すると、内部で結露が発生し、カビや構造材の腐食の原因になります。高気密にすることで壁内への湿気の侵入を防ぎ、家の耐久性を高め、健康的な住環境を守ります。
「ZEH」と「ZEH水準」は何が違う?補助金や住宅ローンで損しない知識

家づくりの情報収集をしていると、「ZEH」の他に「ZEH水準省エネ住宅」という言葉も目にするかもしれません。
この2つは非常によく似ていますが、明確な違いがあり、補助金や住宅ローン控除の条件にも関わってくるため、正しく理解しておくことが大切です。
最大の違いは「創エネ設備(太陽光発電など)が必須かどうか」です。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
- 断熱性能:断熱等級5
- 省エネ基準:一次エネルギー消費量を20%以上削減
- 創エネ設備:必須(太陽光発電など)
- エネルギー収支:実質ゼロを目指す
→「使うエネルギー ≦ 創るエネルギー」にするのが目的
ZEH水準省エネ住宅
- 断熱性能:断熱等級5(ZEHと同じ)
- 省エネ基準:一次エネルギー消費量を20%以上削減(同じ)
- 創エネ設備:不要(太陽光発電は必須ではない)
- エネルギー収支:ゼロを目指す必要はない
→ 断熱・省エネ性能は高いが「創エネ義務なし」の住宅
つまり、「ZEH水準」は、ZEHの基準から太陽光発電などの創エネ設備を除いた、高い断熱・省エネ性能を持つ住宅のことです。
2024年からの住宅ローン控除制度では、この「ZEH水準省エネ住宅」以上でないと、控除額が大幅に減額されてしまいます。
家づくりの際には、ご自身がどの基準の家を目指すのか、住宅会社としっかり共有することが重要です。
※補助金や税制優遇の制度は年度によって内容が変更されるため、必ず最新の情報を公式サイト等でご確認ください。
高気密・高断熱なZEH住宅がもたらす本当の価値|メリットを徹底解剖

高気密・高断熱なZEH住宅のメリットは、月々の光熱費が安くなるという直接的な経済効果だけにとどまりません。
むしろ、日々の暮らしの質(QOL)を劇的に向上させ、家族の健康や安心を守る「本当の価値」にこそ、その魅力があります。
ここでは、ZEH住宅がもたらす多角的なメリットを解剖していきます。
圧倒的な快適性と家族の健康(ヒートショック・結露・カビ予防)に貢献
高性能な住まいは、目に見えないストレスから家族を守り、健やかな毎日を育みます。
- 家中どこでも快適な室温をキープ
リビングだけでなく、廊下やトイレ、脱衣所といった非居室との温度差が小さくなります。
これにより、冬場に多発するヒートショック(急激な温度変化による身体への負担)のリスクを大幅に低減できます。 - 不快な窓の結露とさようなら
断熱性の高い窓と計画的な換気により、冬場の悩みの種である窓の結露がほとんど発生しなくなります。
毎朝の拭き掃除の手間から解放され、カーテンがカビる心配もありません。 - カビ・ダニを抑制し健康的な空気に
結露を防ぐことは、アレルギーや喘息の原因となるカビやダニの繁殖を抑えることにも繋がります。
常にクリーンな室内空気環境を保ち、家族の健康を守ります。
光熱費削減以上の経済効果と資産価値、環境への貢献
高気密・高断熱にするための初期コストがかかる一方で、それを上回る長期的な経済的メリットも期待できます。
- 長期的な光熱費の削減
冷暖房効率が格段に上がるため、一般的な住宅と比較して光熱費を大幅に削減できます。
太陽光発電を導入すれば、電気を売ることで収入を得られる可能性もあります。 - 家の資産価値を維持しやすい
国が定める高い省エネ基準を満たした住宅は、性能が低い住宅に比べて、将来売却する際の評価額が落ちにくくなります。長期的に見て「資産」としての価値を保ちやすいと言えます。 - 地球環境への貢献
家庭で消費するエネルギーを削減することは、CO2排出量の削減に直結します。
ZEH住宅に住むこと自体が、持続可能な社会の実現に向けた具体的なアクションになります。
後悔しない工務店・ハウスメーカー選びのチェックポイント

住宅性能の重要性が分かったところで、次に重要になるのが「どの住宅会社に依頼するか」です。
デザインや価格だけでなく、性能面で信頼できるパートナーを見つけるために、以下のポイントを必ずチェックしましょう。
【Point】性能数値(UA値・C値)と「全棟気密測定」の実績を確認する
性能に関する話をする際は、感覚的な言葉ではなく、具体的な数値で確認することが鉄則です。
以下の質問を住宅会社の担当者に投げかけてみましょう。
- 「御社の標準仕様のUA値と、目標としているC値はいくつですか?」
性能に自信のある会社であれば、明確な数値を即答できるはずです。 - 「C値は計算上の数値ですか?それとも実際に測定した実績値ですか?」
計算上の目標値だけでなく、これまでに建てた住宅の平均C値などの実績値を確認しましょう。 - 「建てた家すべてで気密測定を実施していますか?」
「全棟気密測定」を実施している会社は、施工品質に責任を持っている証拠であり、信頼性が高いと言えます。
【Point】施工品質へのこだわりと健康への哲学(自然素材など)で比較する
UA値やC値といった数値は非常に重要ですが、それだけが家の価値を決めるわけではありません。
その数値を実現するための技術力や、どのような暮らしを目指しているのかという「哲学」も比較検討しましょう。
- 施工品質へのこだわり
「気密性を高めるために、現場でどのような工夫をしていますか?」
「断熱材が隙間なく施工されているか、どのようにチェックしていますか?」
このような質問を通じて、見えない部分の施工に対する会社の姿勢を確認できます。 - 家づくりへの哲学
「どのような暮らしを理想として家づくりをしていますか?」
例えば、無垢材や漆喰といった自然素材を使い、化学物質を極力排除することで、住む人の健康を第一に考える会社もあります。また、全館空調システムで家中を快適な温度と湿度に保つなど、数値だけでは表せない「暮らしの質」へのこだわりも重要な選択基準です。
まとめ:ZEHの性能を正しく理解し、快適で健康な未来の住まいを手に入れる

今回は、ZEH住宅に不可欠な断熱性能(UA値)と気密性能(C値)について詳しく解説しました。
ZEH住宅の優れた性能は、「高断熱(UA値)」と「高気密(C値)」という2つの要素が両輪となって初めて実現されます。
特に、現在のZEH基準には明確な規定がない「C値」は、住宅会社の技術力と品質への姿勢を見極める上で非常に重要な指標です。
この記事で得た知識は、住宅会社の言葉を鵜呑みにせず、ご自身の判断で性能を比較検討するための強力な武器となるはずです。
ぜひ、ご家族が将来にわたって快適で健康に暮らせる、本当に価値のある住まいを手に入れてください。
【最後に】WELL+の断熱性が、毎日の暮らしを変える。
寒い冬でも、家の中がどこにいても心地よく過ごせる──。
私たちWELL+ の住まいづくりは、そんな“当たり前にしたい快適さ”を叶えるために、断熱性能に強いこだわりを持っています。
WELL+ の家は高性能断熱材・高断熱サッシを採用し、家全体をすっぽり包み込むように熱のロスを徹底的に防ぐ構造になっています。
さらに、壁・床・天井など部位ごとの断熱を最適化することで、冬の冷気や夏の暑さに悩まされない“温度のバリア”を実現しています。
また、断熱だけでなく気密にもこだわることで、家じゅうの温度ムラが少なく、ヒートショックのリスクを抑える安心仕様。
高断熱・高気密の組み合わせは、光熱費の節約にもつながり、家計にもやさしい住まいになります。
“家が変わると、暮らしが変わる”。
寒い日も暑い日も、家族みんなが自然と笑顔になれる心地よさを、WELL+ は誠実に、丁寧にカタチにしています。
もし「冬の寒さに悩まない家に住みたい」「性能面で妥協したくない」とお考えなら、
ぜひ一度、WELL+ の家づくりを体感してみてください。
きっと、住まいに求める価値がひとつ上のレベルで満たされるはずです。